笑わなくていいのに
相野ココ
「痛くしてもいいから、最後まで…っ」
橘の下で涙を浮かべそう懇願するのは中学からの同級生であり、
アイドルさながらのモテメン・足立慎。
数時間前、「足立くんが好きだから」と
フラれたばかりの橘はヤケ酒をあおり酔いつぶれていた。
居合わせた足立に家まで送り届けられたところで、
ついこぼしてしまった”お前ばっかり”と言うぼやき。
それは足立の長年秘めていた恋心を打ち明けさせるきっかけとなり、
そのまま互いをなぐさめ合うように一夜を過ごしてしまう。
翌日、当てつけのように足立を抱いてしまったことに
もやもやとした気持ちを抱える橘だったが、
それはまた罪悪感とは違うものに変わっていってー…。