なぜか今更(笑)ワンダーフェスティバル2017年夏レポート?あるいは作者紹介第1回:オデ
いよいよ総来場者数が5万人越え規模にまで達した巨大な造形イベントであるワンダーフェスティバル。
当初は“ガレージキット”という、「既製のプラスチックモデルに飽きたらず、自身の造形的ニーズやクオリティにこだわるマニアたちが、自分自身で造りあげた原型をシリコーンゴムで型取りし、レジンキャストと呼ばれる二液混合硬化型のプラスチック樹脂を注型して複製品を作り、その価値を理解・共有することができる仲間だけにごく少量だけ頒布していた手作りの模型」を展示、販売するイベントでした。
ガレージキットの語源は1960年代にアメリカで流行したガレージロック(自宅のガレージやバックヤードで演奏されるような、荒削りなロックンロール)にあり、「個人のガレージ(作業部屋)から情報(オリジナルモデルの複製品)を発信していく」という意味合いから、ごく自然とこの名称が定着していきました。
1980年代初頭に産声をあげたガレージキットは、金型成形による、工業製品としてのプラスチックモデルでは成し得なかった緻密なモールド(=彫刻表現)の再現性と、原型製作者の思い入れや作家性が見事に反映され、またたく間にマニアたちのあいだに広がっていきました。大手メーカーのマスプロ製品では(主に採算面で)実現不可能だったマイナーなアイテムも、リアルタイムで生産されるようになり、また、「自分自身がメーカーになれる」という高揚感や共犯意識がガレージキットシーンの急速な成長を促した結果、今日では一般的模型店レベルにまで商品が普及しています(創生期に問題とされた生産数の少なさや高価格なども、生産技術の急速な進歩と原材料費のコストダウンにより解消されています)。こうした状況の中で、プロ、アマチュアを問わず、自分たちが腕によりをかけて製作したキットを持ち寄って展示・販売することにより、自分の造形力を世に問うことを目的としてはじまったのが『ワンダーフェスティバル』です。
この日だけしか販売が許可されない既存キャラクターのキット(いわゆる「当日版権」)、一品限りの造形物、各プロディーラーの新製品や限定品などが並ぶのも、当イベントの大きな魅力となっています(アマチュアが発表するキットなどは販売量がごく少量で、この日を逃すと永久に手に入らないものもあります)。
さらに、このイベントを支えているのが一般参加者の存在です。開催毎に多少の変動はあるものの、ほぼ安定した動員数を維持し、発足当初は若い世代の模型マニアの中でも、とりわけディープな層がほとんどで、ほぼ全員が男性であったものが、造形物の多様化に伴い、女性、家族連れ、初老の紳士といった、性別・世代的広がりも更に拡大し、「この先の可能性」を感じさせつつあるのが現在の状況と言えます。
この先も、「ガレージキットシーンの最前線」「ガレージキットの聖域(サンクチュアリ)」という根底の部分を見失うことなく、“造形”をテーマとしたバラエティに富む魅力的なイベントとして、ワンダーフェスティバルは発展していくでしょう…、とここまではプレス資料を元に作成してりますが(笑)、このイベントで活躍する造形作家“オデ”さんを紹介しましょう。
『COMICジンガイ』でWEBサイト上のみで連載の『うんことドッコイショ』の作者でもあるオデさんはいかに連載を開始したか、また造形活動を続けるかを“ワンダーフェスティバル2017年夏”のブース設営中のお忙しいところ、お聞きしました。
――現在造形作家として活動しているオデさんが、なぜ漫画家になろうと思ったのかお聞かせください。
オデ:子供の頃から絵を描く事が好きで、大友克洋先生に衝撃を受け模写しまくりました。ヤングマガジンで大友先生の『AKIRA』が連載されていたのですが、漫画を投稿するならヤンマガだと思いチャレンジしてみました。ギャグ大賞で期待賞を頂き、担当者さんも付いたのですが、期待のまま終わったと言う感じですw
――この作品が『うんことドッコイショ』というわけですね。
オデ:でも描きためた作品は十数本しかなく、新作も描き下ろしで追加しています。
とりあえず、一冊の分量になるよう目指し、頑張ります。
――オデさんの作品は電子書店での販売が無いため、単行本化になるためには読者の応援が必要ですね。
オデ:みなさん、感想等ありましたらレビュー欄にお願いします!
――『うんことドッコイショ』は連載作品の中でも、ある意味懐かしさを感じるシュールギャグ漫画ですが、逆に今掲載すると“新しさ”も発見できました。だからこそ、お声掛けいたしました。造形家はデッサン力がありますので、オデさんの作品はいけるんじゃないかな、と思いまして。
オデ:他作家の皆様のクオリティが高いので、正直見劣りするかもしれませんが・・・
――いや、あの表紙イラストのインパクトはデザイナー達もかなり驚いていましたよ。これからも頑張って下さい。ところで造形を始めたきっかけは?
オデ:造形には以前から興味があり、その頃見かけた原型師「吉沢光正 氏」のフィギュアを拝見しそれまでのフィギュアとは違う造形美に衝撃を受け「やりたい!」と思い造形を始めました。ただ作っている物は全く違いますが(笑)
――『AKIRA』ですね(笑)。
オデ:ワンフェスでの当日版権申請がなかなか通らず、苦戦しています・・・
――オデさんの『AKIRA』フィギュアがワンフェスで発売されましたら是非買わせていただきます。でも連載のほうも頑張って下さいね。
オデ:これからもよろしくお願いします。
ということでワンダーフェスティバル2018〔冬〕は下記日程にて開催されます。
オデさんはもちろん、ジンガイ編集長もある形で参加しています。(詳細は後日ツイッターで)イベント自体のお問い合わせは下記にてお願いいたします。
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【名 称】: ワンダーフェスティバル 2018[冬]
(英文表記の際は“Wonder Festival 2018[Winter]”もしくは“WONDER FESTIVAL 2018[Winter]”)
【開催期日】: 2018年2月18日(日曜日)
【開催時間】:10:00〜17:00
【会 場】: 幕張メッセ 国際展示場1〜8ホール(予定)
〒261-8550 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1
TEL:043-296-0001(代表)
【一般参加料】: 税込 2,500円(公式ガイドブック付/小学生以下無料)
【主 催】: ワンダーフェスティバル実行委員会
〒571-0041 大阪府門真市柳町19-3 株式会社海洋堂 内
TEL:06-6909-5660 / FAX:06-6909-0861
【参加ディーラー数】: 約1,978ディーラー(プロモーション企業出展含む)