書籍詳細
囚われた砂の天使
ISBNコード | 978-4-908757-21-1 |
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サイズ | 文庫本 |
定価 | 703円(税込) |
発売日 | 2016/08/25 |
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内容紹介
人物紹介
萩原 凛
大学の卒業旅行でひとり、アル・ザファール王国へ訪れる。21歳。
気弱な一方、しっかりと芯をもった性格。
アシュファル・アル・ハーリス
アル・ザファール王国の王族の一人。28歳。
プラチナ色の髪、褐色の肌に深い翠色の瞳をした、精悍な顔立ちの青年。
立ち読み
「やだ…っ……」
じわじわといたぶられるだけの行為に、理性が崩れかけてしまう。
凛は、上がる息を喉奥でのみ込み、潤みきった目でアシュファルを見つめた。
睨みつけて拒絶して、ここから逃げ出さなければと思う気持ちの奥底から、こんなもどかしい刺激ではなく、もっと追い詰めて精を吐き出させて欲しいという、浅ましい欲求がせり上がってくる。
否定したいのに否定できない欲望に負けてしまう。
凛は、最後の抵抗のように首を力なく横に振った。
アシュファルが吐息だけで笑って、凛の下着の中から片手を引き抜く。改めて両手を下着とジーンズのウエストに掛け、一気に性器を露出させた。
まるで映画のワンシーンのように豪奢なシャンデリアの光が高い天井から淡く室内を照らす。男の手に弄ばれて限界まで勃ち上がった性器が、先走りでてらてら光り濡れる姿を晒されたのだ。
凛は、下着のウエスト部分から取り出された自分のものが、次の刺激を求めて勃ち上がったままひくりひくりと揺れているのを目の当たりにしてしまう。
反射的に目を逸らしたが、凛の仕草とは裏腹に、こんな恥ずかしい姿を見られているという意識が、ますます体を興奮させた。
性器がぐっと力を増して反り返る。
アシュファルの両手が、凛の性器の上にそっと乗った。
充血して裏筋を際立たせていても、どこかすんなりとして少年めいている凛の性器の形を確かめるように、両手のひらの中にすっぽりと収める。
「蜜を溢れさせて快楽に震えている……。こんなに熱いのは、私との行為に興奮しているからだろう?」
意地悪く問う言葉を囁きながら、アシュファルは手の中に収めた凛の性器をやわやわと揉み込んだ。
アシュファルの両手の間から性器の先端だけを覗かせている、その孔から新たな蜜がぷっくりと膨れ上がる。
凛は、それを見ていられなくて思わず目を逸らした。
アシュファルが、きゅっと性器の根元を指で縛めながら「凛」と呼ぶ。
「目を逸らすんじゃない。今、自分の体がどんなに淫らに色づいているか、見ているんだ」
「嫌……っ」
限界まで首を捻って横を向き、性器に施される刺激に反応して射精してしまわないように、必死で歯を食いしばっている凛の耳に、甘い吐息が吹き込まれる。
その甘い吐息は、この状況に興奮しているのが自分だけではないのだという証明のような気がした。
恐る恐る瞼を上げると、視界の端に端正な……いや、端正なだけではない。艶めく欲望を滲ませている翠の瞳がある。
褐色の肌にプラチナ色の髪が乱れかかるまま、凛の体を見下ろしているアシュファルの姿があったのだ。
アシュファルが、凛の視線に気付いたように目を上げる。艶めいた瞳の色はそのままで、淡く微笑みかけた。
「お前が達するまで耐えるつもりだったが……。こんなに素直な反応をする体を前にしていると、決意が崩れ落ちそうだ。——この胸。触れられてもいないのに、こんな風になっているのはどうしてだ?」
吐息混じりの笑む声で言う。
凛は、全く意識していなかった自分の胸に視線を向けた。
肌蹴させられたシャツの下で、両胸の先がピンク色に色づいてぴんと立ち上がっている。
体全体も淡く色づき、その中でいっそう色濃いのが露出させられている性器だった。
あまりの恥ずかしさに唇を噛んで俯く。
不意に、アシュファルの両手が性器から離れた。
えっ、と、息をのんで視線を戻すと、手を離されても硬く勃ち上がっている自分の性器と、延べた両足の間に座っていたアシュファルが腰を上げるのが見える。
アシュファルの手が凛の腰に掛かり、半端に乱されているだけだった下着とジーンズを両足から引き抜いた。
肌蹴た白いシャツだけをまとった半裸にされて、ベッドヘッド際に積み上げた羽枕に上体を預ける姿勢にさせられる。
何が起こるのかわからないまま、中腰になっているアシュファルを見上げると、アシュファルが欲望を薄く滲ませた翠色の瞳で甘く微笑んだ。
「このまま、お前の体内に私の性器を押し込み、私のもので満たしたいが……。この体はまだ、私のものを受け入れられる状態ではないな」
そう言って、白い長衣、ディスダーシャの前のあわせに手を掛ける。裾を払い、下半身を晒している凛の両足の間に腰を落とした。
片手をベッドヘッドについて凛に圧しかかり、たくし上げた長衣の下からグレーのボクサーパンツを覗かせると、その中から猛りきった性器を取り出す。
凛は、重ねられた体の上にある、自分のものとは比べようもなく大きく猛々しいものを見て、こくんと息をのんだ。
肌と同じ褐色の性器は、ぐっとカリが張り出した形で赤黒い血管を浮き立たせている。太さも長さも、自分と同じ成人男性のものとは思えない。
こんなものを体内に——男同士の性行為がどういうことをするのか、知識としてしか知らないことだが、体内に押し込まれて精液を注がれることを考えるだけで恐ろしい。
絶対に、こんな大きなものは挿らない。
無理矢理押し込まれたら、壊れてしまう。
「や…っ……、嫌……」
震える声が唇からこぼれる。逃げ出したい体を限界まで反って、積み重ねた羽枕に背を押しつけた。
アシュファルが、ディスダーシャの下の性器を凛の未熟な性器に重ねて二本一緒に手の中に握り込む。
凛の性器の先走りを自らのものに馴染ませるように捏ねながら、もう一方の手を凛の顔の横についた。羽枕で肘を支え、斜めになった上体を凛の上に重ねる形だ。
ぐり、と、アシュファルの張り出したカリが凛の性器の先端に押しつけられる。
「……っ!」
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