書籍詳細
情熱のかけら
ISBNコード | 978-4-86669-051-3 |
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サイズ | 文庫本 |
定価 | 754円(税込) |
発売日 | 2017/11/20 |
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内容紹介
人物紹介
鳴海朋宏(なるみ ともひろ)
27歳。地方公務員。高校の三年間ずっと片思いしていた藤尾に再会して心が乱されていく。
藤尾忠志(ふじお ただし)
27歳。建築士。鋭い眼差しの自信家な男。鳴海のことになると、自分の嫉妬にも気づけない不器用さも。
立ち読み
「ふ……じお」
口づけが深くなる。隅から隅まで探るように口中を舐め、逃げ腰になる鳴海の舌に吸いつき、 歯を立てる。藤尾の口づけは本当に藤尾らしく、なにもかもすべてを奪い尽くすようだ。
「あ……藤尾っ」
唇が顎を這い喉元に滑っていく。
「うぅ、ん、あ、あ」
鎖骨なんてただの骨だろうに、噛まれた途端に声が出た。
「ガキの乳首みてえだな」
「あ、やっ……」
熱い舌で舐められ吸われ、じれったいような疼きに身を捩る。逃げたい気持ちとは裏腹に手 は藤尾を引き寄せてしまう。小さいなりにぷくりと主張し始めた胸を弄るだけ弄られて、わず かに残る理性までも奪われていった。
「藤、藤尾っ、も、やだ……」
「こんなにしといて、よく言う」
「だって、あ、あ……っ」
藤尾の声も欲望に掠れている。昂る気持ちを隠そうともせず激しいほどの熱情で貪り尽くそうとしてくる。
舌が下肢へと這っていった。無意識のうちに避けようとして捩った腰骨を両手で押さえつけた藤尾は、乾きかけたローションをすべて拭うように舌を使い、手淫とともに下腹から性器、 その周辺まで舐め尽くす。
鳴海は、息苦しいほどの快感に身もだえするしかなかった。視界まで霞んでくる。
「気持ちいいか? 鳴海」
「いい……あ、あぁ……いいっ」
熱い粘膜に包まれ、吸われてはひとたまりもない。
「い……くっ、も、い—」
だが、訴えた直後、根元を塞き止められた。顔を上げた藤尾は鳴海の腰から手を離し、今度 は両膝を押さえつけて拘束する。
「や……あぁっ」
強いられたあからさまな格好に、鳴海は悲鳴を洩らした。
「厭じゃねえよ、鳴海」
必死の抵抗も、一言で切り捨てられる。
藤尾が吐息を洩らした。
「……おまえって、こんなとこまで綺麗にできてるんな」
「あ……こんなっ」
膝が胸につく不自然な格好は苦しく、それ以上に羞恥心でどうにかなりそうだった。
「や……藤尾、嘘……あ、ひっ」
さっきまで藤尾が挿っていた場所に熱い、濡れた感触がして、そのあまりの生々しさに鳴海は声を上げた。
「藤……尾、藤尾……っ、こんな……しなくて、いいからっ」
涙混じりの懇願もまったく聞き入れられない。気持ちよくなるからと藤尾に宥めすかされ、 すぐにそれが本当だと鳴海は身をもって知り、その頃には泣き声も嬌声に変わっていた。
「たまんねえ……」
藤尾が喉を鳴らす。
指と舌に犯されて鳴海はおかしな声を止められない。
「こんな小せえのに……誰でもこうなるのか? それとも鳴海、おまえが特別か?」
「あぁ、んっ、あー、ふ……尾、藤尾……あ、うぅっ」
脳みそが溶け出し、気がおかしくなりそうだった。なんでもいいからどうにかしてほしいと、うわ言のようにくり返すばかりだ。
「あ、そこ、や」
「ここか」
「あぁ」
「ここが好きなんだ?」
「厭、だ……あ、あ、あぁ……いい」
押さえつけられてなくても、もう勝手に脚は大きく開いてしまっている。いまやめられたら、 きっとねだってしまうにちがいない。
「もっとよくしてやるから、まだいくなよ」
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