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転生男装王女は結婚相手を探さない

月神サキ / 著
林マキ / イラスト
ISBNコード 978-4-86669-371-2
サイズ 四六判
ページ数 304ページ
定価 1,320円(税込)
発売日 2016/02/29
発売 ジュリアンパブリッシング

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内容紹介

王女様が男子のみの魔法学園に潜入!?
この恋は学園にいる間だけ…好きだなんて、告げられない! 月神サキ、書き下ろし最新作!
政略結婚を嫌がる王女アリシアに母が持ちかけたのは、男子魔法学園に入学して選ばれた婚約者候補から結婚相手を見つけなさいという、無理難題!
ところがアリシアが恋をしてしまったのは、候補外の美しい召喚士ルシウスだった。
なぜかルシウスはアリシアが女であることを知っていて「卒業までの間、僕のものになれ。例えばこんなことをされてもーー」と唇を奪われてしまい…!?
「君がいつ他の誰かの手に堕ちるかって、気が気じゃないのにーー」

立ち読み

「何度も言っているだろ。君は無防備すぎるんだ。君を狙っている男は多い。頼むからもっと警戒してくれ」
「け、警戒なら、ちゃんとしているわ」
 考えなしのように言われ、慌てて否定した。疑いの眼差しが私を貫く。
「嘘をつけ。さっきだってまた無自覚にたらしこんでいたくせに。アルベイダとか言ったか? あいつ、これから君に認められたい一心で上がってくるんだろうな」
「え……」
 アルベイダ、と言われ目を丸くした。
 彼が? どうして?
 というか、それならさっき感じた疑念は勘違いではなかったという事だろうか。
 戸惑っていると、ルシウスが自嘲するように笑う。
「とは言っても残念なことに、彼が育つ頃には君はもういないわけだが……アリシア」
 突然、本名を呼ばれてどきっとした。
 止めてほしい。普段本名を呼ばれないせいか、学内で唯一『アリシア』と呼んでくれる彼の声に妙に反応してしまうのだ。
「や、だからこんなところで呼ばないでって……」
「そう言う君だってさっきから口調が戻っているぞ。……僕が来て気が抜けたのは分かるけど、もう少し気を付けた方が良い。いつもそう言っているだろう?」
「……ごめんなさい」
 もっともな言葉に流石に謝った。ルシウスと二人だとどうしても気が緩んでいつもの自分がでてきてしまう。悪い癖だと分かっていたが止められなかった。
「全く、君は本当に……無自覚に人をたらしこむ天才だな」
「え……んっ」
 周囲をさっと確認したルシウスがそう言って、すばやく唇を重ねてきた。
 いつ人が来るか分からないからか、数回触れあわせただけで離れてしまう。それを寂しいと思ってしまった。その想いが、口を突く。
「……もう……終わり?」
 私の言葉にルシウスは目を瞬かせた。ほんの一瞬だけ、目が優しく細まる。そしてもう一度啄むような宥めるかのような口づけをくれた。それがものすごく優しくて、涙が零れそうになる。


◇ ◇ ◇ ◇


「怖くなんてない。私、ルシウスになら何をされても平気よ……」
 嘘はどこにもなかった。
 私はルシウスになら何をされても許せる。――――そう、例え破瓜されても。
 それは純然たる事実だった。
 私の言葉にルシウスは一瞬動きを止める。その顔がみるみるこわばっていく。
 突然、噛みつくように口づけられた。すぐに唇は離れ、至近距離でルシウスが叫ぶ。
「君はどうしてっ! ……君がそんな事を言うから僕は!」
「ルシウス……?」
「もう、黙れ。頼むから黙ってくれ」
「いたっ!」
 ぎゅうっと胸を強く握られた。
「……何をされても平気なんだろ」
 低い声で吐き捨てるように言う。
 私を壁に押さえつけたまま、彼は私のズボンを脱がせ始めた。
 お湯で張り付いた下着も一緒に脱がされる。恥ずかしさに震えつつも抵抗できないでいると、彼は下腹部に手を差し入れてきた。
 くちゅりという音がする。お湯ではなく、明らかに違う、濡れているのが丸わかりな音に、顔が赤く染まるのが分かった。
 ルシウスが口の端を上げる。
「こんなに濡らして……僕に触れられて感じていたのか」
「あっ……!」
 割れ目をくちゅくちゅと弄り、彼はゆっくりと指を体内に沈めていった。
 その動きをダイレクトに感じ、私は身体を震わせることしかできない。
「ふっ……あ……」
 ルシウスに触れられていると思うだけでおかしくなりそうだった。
 甘い声で啼く私に、ルシウスがふっと笑った。
「ああ、中もどろどろじゃないか。まだ処女だというのに、君はいやらしい女だな」
「はっ……ちが……」
 そんな事を言われてしまえば、更に身体が反応してしまう。
 ルシウスの言葉攻めに慣れてしまった私の身体は、彼の言葉に簡単に応え歓んで蜜を滴らせていく。
 ルシウスの指が私の弱い場所に触れる。それだけで私の身体は面白いように跳ねた。
「ひあああっ」
「ほら、ここ感じるんだろ? もっと触ってやる。こんな恥ずかしい場所を恋人でもない男に弄られて善がって啼けるんだから君は淫乱の素質があるよ。……きっと王子も喜ぶんじゃないか? あの変態にはそれくらいが丁度いいだろう」
「やめて、今……王子の、話はしない……で」
 ルシウスに触れられている時に、フェルナン王子の話は聞きたくなかった。
 懇願するとルシウスはそれ以上その話題には触れず、指を二本に増やしてきた。

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