書籍詳細
夜の舞踏会 公爵夫妻の幸せな契約結婚
ISBNコード | 978-4-908757-15-0 |
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定価 | 1,320円(税込) |
発売日 | 2016/07/27 |
ジャンル | フェアリーキスピンク |
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内容紹介
立ち読み
アルベルトは執務室で机に向かいながら、ひたすら悶々としていた。
愛する妻と想いを伝え合うような深い口づけを交わし、悶々としないはずもなかった。
目蓋を閉じれば、?を染めて潤んだ瞳で見上げてくるフィルデリアの姿がありありと浮かび上がってくる。
思い出すだけで鼓動は早鐘を打ち、何も手に付かなくなる。
思春期の少年のようだ、と思ったが、よく思い返してみると自分の思春期はここまでではなかった気がする。
どうしてこんなに駆り立てられるのか分からない。
フィルデリアに触れたくてたまらない。白い肌を撫でたい、そっと歯を立てて甘?みしてみたい。あの高い艶っぽい声をもっと聞きたい。
この想いを、自分の存在を、彼女の中にしっかりと刻み付けてしまいたい。
しかし、もちろんここで先走るわけにはいかない。あくまで彼女のペースに合わせなければ。
フィルデリアが少しずつ自分に慣れていってくれるのは、硬い蕾が春の訪れと共に綻んでいくのを見ているようでとても嬉しい。
今のこの時間を心から大事に思う。
日々の触れ合いの練習はあくまで最終的な目的のための道のりだったが、むしろその過程が二人の心の結び付きを固くしてくれているのではないかと思える。
その気持ちに偽りは無いが、それでもやはり燻るものはある。
そんなわけで、アルベルトはただひたすらに悶々としていた。
そして何十回目かの夜、夫婦の寝室がある二階に、初めて完全な人払いがされたのだった。
ギシ、と音をたてて、アルベルトはフィルデリアが乗っているベッドに腰を下ろした。日はとうに落ちている。人払いも済んでいる。
シーツの上にちょこんと座っている彼女に目をやる。レース生地のカーテンから漏れる月の光に照らされ、神話に出てくる夜の女神のようだった。
沈黙が訪れる。苦痛なものではない。ただ、どうにも気まずくて、自分の鼓動がうるさい。どう切り出すべきものか迷ったが、アルベルトはフィルデリアの細い手を静かに取った。身を屈めて、その滑らかな手のひらに口づける。懇願のキスだった。
「フィルデリア。貴女を愛している。貴女の愛が、貴女自身が欲しい。……許してくれますか」
僅かな心の波も見逃さないよう、彼女の瞳をじっと見つめる。フィルデリアは伏し目がちに、それでもアルベルトの視線にきちんと応えながら、返事をした。
「はい。よろしくお願いします。……貴方の愛を、私に下さい」
言いながら、照れたように顔を紅潮させる彼女がたまらなく愛おしくて、アルベルトはゆっくりと彼女を寝台に押し倒した。これから始まる官能の気配に心拍がさらに加速していく。
「怖くないか」
「……少し、だけ」
戸惑いがちにフィルデリアは口にした。声が微かに震えている。
「女性は初めては痛いと聞く。そうでなくとも、貴女には辛いかもしれない。嫌だと思ったら、躊躇わず言ってほしい。?がるために貴女を傷付けたのでは、意味が無いからな」
額にそっと唇を落とした。フィルデリアがこくりと頷いた。
「いい子だ」
そして、彼女の片側の?を手のひらで包む。フィルデリアが応えるように目蓋を閉じた。
唇と唇を重ねる。胸が、火が点いたように熱くなる。
顔を離し、彼女を見つめる。フィルデリアも目を開け、二人の熱い視線が絡まり合った。どちらからともなく再び口づける。何度も、何度も触れるだけのキスを交わした。そのうちに、控えめに舌を覗かせてみる。フィルデリアの唇が微かに震え、アルベルトの侵入を許すように少しだけ開いた。
そっと舌を挿し込み、彼女の口腔を優しく撫でる。そろそろと触れてきた彼女の舌を受けとめ、絡めとった。
「ん……ふ、ぅ」
鼻にかかったような彼女の甘い声が、アルベルトの本能を刺激する。
唾液の混ざる小さな音をたてながら、舌を擦り合わせ、唇を食み、上あごを舌先で撫でる。
そうして長く深い接吻のあとに唇を離したときには、きっとお互い情欲に濡れた瞳をしていただろう。
襟元から、彼女が身に纏う布をはだけさせていく。腰の辺りまで露わにして手を這わせ、視覚と触覚で自分の欲を煽っていく。夢で見たより、ずっと白くて綺麗で柔らかい。
?に、鎖骨にキスを落とし、両手で年齢の割に控えめな双丘を包むのと同時に首筋を舐め上げると、彼女の身体がびくりと跳ねた。そのまま首筋を吸いながら慎ましい胸を揉み込んでいく。
「ん……あ、んっ」
赤く染まった先端を指の間に挟んでくにくにと刺激すると、彼女の口から甘い声が漏れた。さらに指の腹で先を撫でたり押し込んだりすると、先端が硬くしこってくる。触りすぎると痛むかもしれないのでその辺りに留めておきながら、彼女の顔を覗いた。
「気持ちいいか?」
「わ、分からない、ですけど……身体が、熱くて」
フィルデリアは髪で顔を隠すようにしながら消えそうな小さな声で呟いた。
「もっと、触れてほしい……」
危うく理性が飛ぶところだった。よく飛ばなかったと褒めてやりたい。脳が焼き切れるような衝動をどうにか抑え、アルベルトは愛撫を再開した。
この女性を傷付けてはいけない。絶対に辛いことを強いてはいけない。
頭の中で何度も自分に言い聞かせてから、ぷっくりと存在を主張している赤い先端を口に含んだ。ぐるりと周囲を舐め上げ、舌で弾き、赤子のようにきゅっと吸い上げる。そのたびにフィルデリアは上擦った声で反応した。
胸を差し出すように反らされた背中と寝台の間に腕を滑り込ませる。彼女の切なげな声がアルベルトの中心に響く。たまらず、腰を動かしてそそり立ったそれを彼女の露わになった太股に押し付けた。布越しだが、熱も硬さも伝わってしまっているだろう。
残った彼女の衣服を全部?いて、自分も裸になった。欲しい人の生まれたままの姿にしばし羞恥も忘れて互いの身体を見つめ合ってしまう。
「あ……」
フィルデリアがそろそろと膝をすり合わせたのを、アルベルトは見逃さなかった。彼女の膝に手をかけ、脚を大きく開かせる。
「やっ……」
恥じらい短く悲鳴をあげて顔を隠してしまう彼女に構わず白い両脚に挟まれるように身体を据える。彼女の脚の間に指を這わせると、ぬるりとした液体に触れた。深い悦びに心が震えるのを感じた。
その存在を確かめるように、蜜を指に絡めて秘裂をなぞる。
「あ、あぁ……は、んぅ……あん……」
慣れない快感にフィルデリアが身をよじった。指の腹で優しく包み込むようにそこに触れていると、内側からとろとろと蜜が溢れてくる。濡れた襞を?き分けるように少し中を探ると、彼女の入り口が見付かった。
「指を……」
彼女に口づけながら確認すると、フィルデリアは小さく頷いた。アルベルトは入り口の具合を確かめるように少しだけ指を沈め、そして抜く。何度かそれを繰り返す間にも、潤滑液は彼の指を濡らした。
フィルデリアの唇から甘い吐息が零れる。?を染めて恥ずかしそうにしながらも、瞳を潤ませ快楽に身を任せようとしてくれている。アルベルトの行為を受け入れようとしてくれている。
それがたまらなく嬉しくて、愛おしくて、アルベルトはフィルデリアの熱く潤んだ場所に幾度も優しい刺激を贈った。感じ入るように入り口が蠢動している。
アルベルトの指は何度か浅いところを前後したあと、ゆっくり中に入っていった。
「んっ……」
「痛むか……?」
「いえ、でも、何か……変な感じがします」
狭い内側を解すように、骨張った指で彼女の膣内を優しく?き回していく。最初は異物感しか与えられないかもしれないと思っていたが、次第にフィルデリアの身体が汗ばんで内側が少しずつ解れていく。
「ふ、う……あぁ、ん……」
二本に増やした指を抜き差しすると、じゅぷじゅぷといやらしい音がたった。時折くっと関節を曲げると、フィルデリアの腰がぴくんと跳ねる。
「ひぁっ」
アルベルトの指がある部分を撫でたとき、今までよりも一際高い声が響いた。気付いたアルベルトは、そこやその周りを丹念に責め立てる。
「やっ、あ、あぁ、んぁっ……」
フィルデリアは気持ち良さそうに甘い声をあげながらゆらゆらと腰を浮かせた。フィルデリアの中は熱く、蜜に満たされていて、アルベルトの理性はぐらぐら揺らいでいた。
「あ、やあ……アル、ベルトさまぁ」
「どうした?」
「待って、……あつくて、こわいんですっ、やっ」
それを聞いて、アルベルトはフィルデリアを追い立てる指の動きを緩めた。代わりに彼女の?や額にキスを重ねる。
唇にもキスをした。そうして互いを近くに感じながら中をゆるゆると?き混ぜると、再びフィルデリアの内側がアルベルトの指を締め上げていく。
ぬちゅぬちゅと女の秘部から聞こえてくる粘着質な音が、二人を追い詰めていった。
「あ、あぁっ、アルベルトさま……アルベルトさまぁ、やんっ」
フィルデリアは高く甘い声を響かせながら、必死にアルベルトに縋り付いてきた。
アルベルトはフィルデリアが不慣れな大きな快楽と絶頂に怯えていることは察していた。だから時間をかけて彼女を持ち上げていった。彼女の中が精を求めて締まりをきつくする。
この中に身を沈めたらどんなにか気持ちいいだろう、と考えただけで、下の怒張の先から透明な先走りが垂れる。
「大丈夫だ、フィルデリア。そのまま、身体の力を抜いて。流れに身を委ねて」
声を掛けながら、先程見付けたばかりの彼女の弱いところを優しく小刻みに突く。
フィルデリアが胸を反らしたので、目の前の乳房を食んだ。
弱いところを二カ所同時に責められ、フィルデリアは息も絶え絶えに喘いでいた。アルベルトはそのまま指と舌によって彼女を初めての絶頂へ導いていく。
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