書籍詳細
オオカミ殿下と氷の姫君
ISBNコード | 978-4-908757-24-2 |
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定価 | 1,320円(税込) |
発売日 | 2016/08/27 |
ジャンル | フェアリーキスピンク |
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内容紹介
立ち読み
「あー、どうにもならん!」
頭から冷たい水をかぶりながら朝っぱらから獰猛な唸り声をあげるのは、エンダリアの国のレイドリック王弟殿下だ。
伝説の金狼帝の血を引き、完全に狼に変化できるという非常に稀な体質を持つ彼は、いろいろな点で野性的な面を持ち、それが大人の魅力と相まって、見た目の麗しさと溢れるフェロモンで多くのご婦人方をきゃあきゃあ言わせている。
そんな彼だが、この度齢29にして初恋なるものに堕ちるというおめでたくも珍しい状態になっている。今までは、燃え盛る性欲も、彼に群がる恋多きご婦人方のおかげで無事に解消されていたのだが、恋に落ちてしまった今では求める女性はただひとり。番を見つけた雄の狼としては当然のことながら、浮気な気持ちで他の女性を抱くことなどできないのだ。
しかし。
清く正しい恋心の前では不埒な劣情など霧散する、などという都合の良いことが起こるはずもない。むしろ恋情と愛情と劣情の三つ巴になって、どうにもこうにも下半身を制御できない暴走暴れ馬状態になっている。そして彼は今朝も起床すると、愛しい人の中に潜りたいという強い欲望を持って、すでにむっくりと起き上がっている彼自身を、剣を握ってすっかり硬くなった彼の右手を用いて騙し、行き場のない精力を解消したのだったが。
「身体の中に熱が残って、炙られるようだ……」
思春期並みの欲望は、彼を盛らせて盛らせて、もうどうしようもないところまで容赦なく追い詰める。そして、可愛い番との間に子孫を残したいという生き物としての真っ当な本能が『やっちゃえやっちゃえ』と彼を追い立てるのだ。
そうなると、彼にできることは人並み外れた体力をひたすら消耗させることしかない。彼は女たらしの悪名高き美貌の殿下ではあったが、いざ愛する者を見つけたら非常に誠実で女性を大切に扱う男なのだ。劣情に任せて無理矢理に身体を奪うなどとんでもないことである。
ところが、今日は鍛練場は修理のため使えないとのことで騎士団も自宅待機になっている。となると、いつものように訓練と称して鬼のように騎士団メンバーを叩きのめして欲を発散させるという(大変迷惑な)方法を使えない。つきあいのいい幼馴染みのカイトも、今日は身重の愛妻とゆっくり過ごすとのことで、剣の相手になってくれそうにない。
彼は、さっき果てたはずなのに、野生の力でまた元気に立ち上がってきているモノを見て、まだまだ風呂場から出られないと熱いため息をつく。
「ああサラ、早く俺のものにしたい。可愛いサラを裸にして身体を密着させて全身を舐め回しながら感じやすいところを見つけて触って……」
そしてこれを、としっかりとソレを握りしめながら妄想する。
「これをいきなり入れたら、サラの狭くて小さなあそこは傷ついてしまうから、最初は回りをちょろちょろ舐めて、油断したところで舌を奥までねじこんで、恥ずかしがるサラの中をたっぷりとねぶり回すんだ、そして、感じやすい粒を?き出しにして、舌先でこねたり吸ったりしながら、穴の中に指を入れて、ゆっくりと出し入れして、充分濡れてきたら指を増やしてできたら三本入れる。よくかき回して緩んだところに俺のこれを押し当てて、ずぶっといきたいのを堪えながら、前後に動かしながら、少しずつ押しこむようにして狭い穴をぎちぎちにして、赤い顔で身悶えるサラの唇をふさぎながら、赤く色づいた胸の先を指できゅうきゅうこねながら、俺のを奥へ奥へと押しこんで」
経験を生かした大変素晴らしい計画である。さすが毎日サラを思い描いて妄想しているだけのことはある。しかし、本日も妄想の途中で……。
「奥へ、奥へ、奥へ、いっ、サラ、サラ、くうっ!!!」
計画半ばで果ててしまうレイドリックであった。
二度目のチャレンジ後でもまだ充分ではないと感じたレイドリックは、昼間ではあるが狼の姿で王宮の近くにある森の中を走り回ってくることにした。身体を動かせばとりあえず欲望は発散されるだろう。このままサラに出会ったりでもしたら、ひょいと担ぎ上げて使っていない部屋に連れていき、そのまま押し倒して無理矢理に奪ってしまいかねない。そんな真似をしたら、いかに既成事実があろうとも、サラの身体も心も手に入れることはできなくなる。レイドリックとしては、最近の努力の結果、ソルの話題に限るとはいえようやくサラが会話をしてくれるようになったので、あまりガツガツした様子を見せずに距離を詰めていきたいのだ。
というわけで、金狼に変化した彼は自室を飛び出して森を目指そうとしたのだが。
(その前に、ちらっとサラの可愛い姿を見ておきたいな)
などという乙女なことを考えたのが彼の失敗であった。
「あら、ソルちゃんじゃないの! 大丈夫なの? 昼間なのにこんなところにいて」
(わあ見つかった!)
びっくりして腰の引ける狼。
こっそりと物陰からサラを見ようとしたのに、辺境育ちで魔物狩りに長けたサラの目はたちまちレイドリックの姿を見つけてしまった。
散歩でもしていたのか、王宮の庭園で出会ったサラは小走りに駆けてきて、ソルの首にぎゅっとしがみついた。
「ソル、今日もモッフモフ。気持ちいい……」
気づいた時には、首をモフりながら顔を擦りつけてくるサラに対する嬉しい気持ちで、ちぎれんばかりにしっぽを振ってしまっているレイドリック。
(サラ、サラ、お前は今日も可愛いな、いい匂いだな、好きだ好きだ大好きだサラーッ!)
そして、その思考は犬。わふんわふん言いながら、サラにモフられる。
「王弟殿下の話によると、あまり人の目に触れてはいけないのよね? どうしましょう、レイドリックさまはソルがここにいることを知っているのかしら?」
(もちろんだとも、俺がレイドリックだからな! ああサラ、もう一度俺の名前を呼んでくれ、さあ、レイドリックと! さあ! さあ!)
はふはふと荒い息をついて興奮する狼を、サラはよしよしと撫でる。
「困ったわ、どうしましょう……王弟殿下のところにお前を連れていった方がいいのかしら? でも、そうすると他の人に見られてしまいそうだし。んー」
レイドリックは、毛並みに添って優しく撫でられる嬉しさにひたすらしっぽを振り、アホ犬のように、はうはうとだらしない顔で喘いでいる。ちなみに、難しいことは何も考えていない。
「やっぱりわたしの部屋に隠して……あっ、誰か来るわ!」
サラが立ち上がった。人の気配にも敏感な彼女は、庭園をこちらに歩いて来る者に気づいたのだ。
「どうしよう、ソルを隠さなくちゃ! ええと……そうだ、ここに入っていなさい。いいわね、ここで『待て』よ?」
そう言って、サラはスカートの裾を持ち上げた。レイドリックは『待て』の状態で固まっている。
(え? え? いや、待て、お前が待て、サラ、えええええええ!?)
「いいこと? 絶対にここから動いてはダメよ」
(うはああああっ、いい匂いだあああああっ!)
サラは、えっちな気持ちでサラにむらむらしている男を、こともあろうに自分のドレスのスカートの中に入れてしまったのだった。
「あれ、サラ姫! ご機嫌よう!」
元気に声をかけてきたのは、愛妻といちゃいちゃしているはずのカイトだった。
「……ご機嫌よう」
サラは、レイドリックと一緒にいることの多いこの騎士の顔を知っていたので、いつものように無表情ではあるが礼儀正しく挨拶をした。
「サラ姫も薔薇を見に来たの? 俺は奥さんの好きないい香りの薔薇を少しもらいに来たんだ。いい香りとかいい音楽とかでリラックスすると、お腹の赤ちゃんもリラックスするんだって。あ、俺の奥さん、もうすぐ赤ちゃんが生まれるんだー」
相手構わず赤ちゃん自慢をする傾向のあるカイトは、えへへと嬉しそうに笑って言った。
「あら、そうでしたの。おめでとうございます」
「ありがとうございます! サラ姫は赤ちゃんが好き?」
「ええ、大好きですわ」
氷のような無表情が、少しほころんだ。
「もしも、もっとここにいるようなら、生まれた赤ちゃんを見に来るといいよ。うちの奥さんは女性騎士だったんだけど、友達が多いさっぱりした人だから、きっとサラ姫とも話が合うよ。サラ姫は弓が得意なんだよね?」
「ええ、よくご存じですわね」
「あはは、結構噂になってるよ」
溺愛中の妻帯者のせいか、あまり女性に警戒心を抱かれないカイトの耳には、女性の噂話がかなり入ってくるのだ。幼馴染みの恋の相手のこととなると、余計に気にしているから、なおさらだ。
「それでは、ぜひ奥様にお会いしたいと……」
サラはひくっと身体を震わせた。
「サラ姫、どうしたの?」
「い、いえ、その、急にしゃっくりが……」
サラは口元を押さえて、赤い顔をした。
サラの挙動不審な振る舞いは、もちろんしゃっくりのせいなどではなかった。
(うわああああ、これは天国なのか、それとも地獄の試練なのかあっ!?)
想い人の匂いでむんむんする、ほの暗いスカートの中。レイドリックはサラのすらりとした脚の後ろに座って『待て』をしていた。脚のすぐ後ろで。
レイドリックの目の前に、滑らかな白い素肌をさらした生足が、すべすべとしたサラの素肌が、『わたしを舐めて』と言わんばかりにあるのだ。
(あ……ほんの少し舌を伸ばせば、そこにサラの脚が……しかも、会話の相手はカイトだから、あとでいくらでも丸めこむことができる………ちょっとだけ、サラ、ちょっとだけなら……)
良い狼のレイドリックは、姿勢は『待て』のままで舌を伸ばし、サラの脚を下から上へとべろりと舐めあげた。ざらざらした狼の舌で素肌を舐められたサラは、思わず身体を震わせる。
(あ……なんて美味いんだ……)
レイドリックのたがが外れた。何度も何度も、サラの脚を舐めあげる。白い脚が狼の唾液でてらてら光るまで舐めあげる。
サラは「はうっ」と小さな声を漏らす口元を手で押さえ、いやらしいいたずらに屈しないようにと必死で堪える。
「サラ姫? どうしたの? 具合が悪いの?」
「ひっ、いっ、いいえっ」
声が跳ね上がる。サラの顔は真っ赤に染まり、涙目になっていた。妻を溺愛中のカイトが相手でなかったら、男を欲情させてさらわれてしまいかねない姿だ。
(美味い、美味い、サラ、サラ、ああもうたまらん!)
レイドリックは思いきり顔を上に上げると、サラの大事な部分に鼻の頭を突っこんだ。
「!!!!!」
サラは菫色の目を見開き、身体が崩れ落ちそうになるのをなんとか堪える。自分が動いたら、狼がいるのがばれてしまう。
それにしても、ソルはこんな時になんて悪いいたずらをするの!?
そして、レイドリックは興奮していた。下着を一枚挟んだすぐ向こうに、毎日せっせと妄想に励んでいる憧れのサラのあの場所があるのだ。彼は思いきり息を吸いこんだ。
ああ、なんたる芳しい番の匂い!
彼は鼻の頭をそこにぐりぐりと擦りつけた。鼻を押しつける度に、段々そこに湿り気が増えてくる。
もっと出せ、サラ、もっとだ!
彼は秘密の露が溢れてくる穴を執拗に責め立てる。サラの下着が水分でぬるりと滑った。レイドリックは舌を伸ばして、布地の上からそこを舐めてサラを味わった。
(この布が邪魔だな! 牙で引き裂いてしまおうか)
引き裂いて、そしてあそこを思いきり舐め回して、舌を突っこんで押し倒して……。
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