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召しませ守護竜さま!

小桜けい / 著
椎名秋乃 / イラスト
ISBNコード 978-4-908757-41-9
定価 1,320円(税込)
発売日 2016/11/27
ジャンル フェアリーキスピンク

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内容紹介

守護竜さまの愛は情熱的!?
「……どれだけ俺を煽る気だ。アデリナが欲しくて欲しくて、何度も忍耐が切れそうになった。諦めて俺の番になってくれ」
四百年の眠りから目覚めた建国の守護竜さまが見初めたのは、伯爵家を追われた少女だった……人外×少女のファンタジーラブ!
両親を亡くし伯爵家を追い出されたアデリナは、傷付いた褐色の肌の青年と出会う。彼ヴァルツは、四百年の眠りから目覚めた、国の守護竜だった! 好奇心いっぱいなヴァルツとの温かな生活の中、次第に彼に心惹かれるアデリナ。「俺から離れるのは諦めてくれ。俺の番にしてこの国から連れ出す」ヴァルツの激しい口付けに、アデリナは身も心も溺れてしまうが——。ヴァルツを利用し国の転覆を目論む宰相の魔手が迫っていた!

立ち読み

「アデリナ様、食料の買出しに行ってまいります」
 階下から、ロザリーが声をかけるのが聞こえた。アデリナが「いってらっしゃい」と答え、続いて玄関の開閉音。
(よおしっ!!)
 思わず心の中で歓声をあげてしまった。
 決してロザリーが嫌いなわけではない。あのメイドは『善良な者』でこそないが、大部分の人間と同じく普通な……むしろ、かなり感じの良い人間だと思う。
 ただ、彼女はどうも、アデリナに不名誉を与える婚前交渉など断固として阻止せねば! という使命感に燃えているらしく、女主人がヴァルツと二人きりにならないよう目を光らせている。
『ヴァルツ様、私も殿方の諸事情は小耳にしておりますが……正式に結婚した後なら、寝所もご一緒になりますので! どうか、それまでは我慢なさってください!』
 と、涙ながらにひそひそと頼み込まれてしまった。
 彼女が男の事情とやらをどのように聞いたかは知らないが、とにかくヴァルツを相当に節操無しと思っているのは間違いない。
 別の部屋で洗濯や掃除をしていても、ヴァルツがアデリナの半径三歩以内に近づこうものならたちまち飛んでくる勘の良さは、もはや人間業とは言いがたい域だ。
 ただ、ロザリーが市場へ買出しに行っている間は、屋敷に二人きりとなる。
 最初、留守にしていいものか苦悩していたロザリーに、そんなに心配ならいっそ荷物持ちも兼ねて買い物に付き合ってやろうかと、ヴァルツは呆れ半分に言ったものだ。
 アデリナも、三人分の食料は大荷物だと言い、張り切って荷物持ちに名乗りを上げたのだが、
『お気持ちは嬉しいですが、主人と婚約者様を荷物持ちに付き合わせるなどできません』
 と、ロザリーにきっぱりと断られてしまった。
 こまめに買出しに行けば大荷物にはならないし、重たい小麦粉などは配送を頼める食料品店で買うから大丈夫だと言う。その辺り、さすがは熟練のメイドだ。
 そういうわけで、ロザリーは毎日短時間だけ買出しに行き、ヴァルツはその貴重な時間を非常に心待ちにしていた。
 期待通り、アデリナが階段を駆け上がる音が聞こえてくる。
「ヴァル……きゃっ」
 アデリナがノックする前に、もうヴァルツは扉を開けていた。
 片手を軽く上げたまま固まっている彼女は、今日もリボンやレース飾りのついた貴族令嬢らしいドレスを身につけていた。
 ロザリーは大きなトランクに、アデリナのドレスをぎっしり詰め込んで伯爵家から持ってきたのだ。
 深い青のドレスは可憐で派手すぎず、女の服にあまり興味のないヴァルツにだって、相当な高級品だろうと一目でわかる。
 髪飾りのついた銀髪も入念な櫛入れと香油でいっそう艶めき、数日前の質素な身なりとは大違いだ。
 とはいえ、ヴァルツはあの古着姿だって可愛かったと思うし、今の高貴な身なりでも良いと思う。
 服装や生活状況が変わっても、アデリナの中身は変わらない。
 相手に何かしてもらえば素直に喜ぶけれど、それに甘えすぎたり当然と傲慢に受け止めたりはせず、自分にできることをいつでもちゃんと探している。
 張り切りまくっているロザリーに色々と世話をしてもらいながらも、一人で家事をやるのは大変だからと、彼女が遠慮しなくて済む程度にそつなく手伝う。
 生活費のために引き受けていた手芸品の注文もきちんと仕上げ、昨日届けてきたそうだ。
 周囲から溺愛されてきた裕福な一人娘なら、もっと我が侭になってもおかしくないと思うのだが、アデリナは自分が愛してもらった以上に周囲を愛するようだ。
 立ち尽くしているアデリナを、素早く部屋の中へ押し込んだ。
「さっそく糧を持ってきてくれたのか?」
「え、ええ……少しですけれど」
 彼女が手に持っているハンカチには、可愛いチョコレートが三つ鎮座していた。
 ヴァルツの正体を隠す以上、魔力回復の事情もロザリーには明かせない。だからアデリナは、こうしてロザリーが出かけると、急いで小さな菓子などを持ってきてくれるのだ。
「怪我もしていないなら、一度に食べる量は少なくても十分だと言っただろう」
 ヴァルツは口角を上げて言い、いそいそと寝台にアデリナと並んで座る。ほっそりした指に摘まれ、口元に差し出されたチョコレートを咥え取った。
 唇が指先を掠め、アデリナが小さく息を呑んだ。その様子が可愛らしくて仕方なく、口が緩みそうになって慌ててチョコレートを?み砕いた。
 甘くて微かにほろ苦い味が口の中に広がり、じわりと魔力が身体に満ちる。
 もっとも、人間姿では消費する魔力は竜の身体でいるよりも少なくて済む。戦闘も変身もしない穏やかな生活を送っていれば、半月ばかり貰わなくても困らないだろう。
 けれど、ヴァルツは量が少なくて良いとは告げても、それについては黙っていた。
 アデリナのためと言われるならば、正式に結婚するまで抱くのは我慢するが、せめて少しくらいイチャイチャしたいからだ。
 いや、少しどころかもっと盛大にしたい!
 彼女の小さなピンク色の唇に、自分からも食べさせたい欲求がムラムラと募ってくる。竜の習性だけれど、愛していると示したい。
 ヴァルツはチョコレートを取って、アデリナの唇に押しつけた。
「今日は一つでも十分だ。アデリナにも食べさせたくてたまらん」
 そう言うと、もう求愛給餌のことを聞かされているアデリナは、微かに?を染めながらおずおずと口を開けた。
「ん……美味しいです」
 小リスみたいに小さく口を動かしてチョコレートを咀嚼してから、アデリナはふふっと顔を綻ばせた。
「そうか……」
 己の声が欲情を孕んで上擦っているのをヴァルツは感じる。ゾクゾクと背中を愉悦が這い上り、最後のチョコレートをまたアデリナの口元に運ぶ。
 素直に開いた口に、濃い褐色の菓子を押し入れてから、顎を引き寄せて唇を重ねた。
「んんっ!?」
 大きく見開かれた瞳と視線を合わせながら、彼女の口に舌を潜り込ませる。たじろいで傾く背に手を回し、逃げられないように抱きしめる。
 溶けたチョコレートとアデリナの唾液が合わさって、眩暈がするほど甘い。
 手加減しながら口腔をかき混ぜると、アデリナが目を瞑ってヴァルツの服をぎゅっと?んだ。コクン、コクンと喉を可愛らしく動かし、ドロドロになったチョコレートを飲み込む。
「っ……ふ、ぅ……ん……は」
 唇を僅かに離して息継ぎをさせると、吐息と共に悩ましい声が漏れる。
 トロンとこちらを見つめる瞳は薄っすらと潤んでいて、ヴァルツの喉がゴクリと大きく鳴った。
 今すぐ押し倒して、全身余すところなく貪り尽くしたい欲求が込み上げる。
(……くっ! 晴れて抱けるようになったら覚悟しろ!)
 表情一つでどれほど雄を煽っているのか、早く思い知らせてやりたい!
 自分でやっておきながら悶絶しそうになり、ヴァルツは小刻みに身体を震わせた。
 アデリナをまた引き寄せて唇を重ねる。
「まだまだ甘いな」
「ん、んんーっ」
 全部飲み込んでも、しっかりと残っているチョコレートの味を貪り尽くすように、口内を余すところなく舐め、小さな舌を捉えて甘?みする。
 糧を食べて魔力を回復する時には、じわりと全身が温かくなるような幸福感を覚える。
 でも、アデリナと唇を重ねて混ざり合った唾液を嚥下すると、それよりも遙かに強い、脳髄まで痺れそうな快楽が全身に満ちる。
 彼女の口からチョコレートの味がすっかり消えても、ヴァルツはしばらく貪り続け、ドレスの胸元を下着ごと引きずり下ろす。
「ヴァルツ!」
 アデリナが抗議めいた声をあげるのを無視し、白い柔らかな膨らみにむしゃぶりついた。
 先ほどの行為で興奮したのか、すでに胸の先端が尖って赤みを増しているのが、どうしようもなく欲情をそそる。
「はっ……あ、駄目ですってば……ぁ、あ」
 音を立てて胸の突起に吸いつくと、アデリナがヴァルツの髪に指を絡ませて喘いだ。
 そう言いながらも彼女のスカートが僅かに揺れ、落ち着かなさげに脚をもじつかせているのに気づき、ヴァルツはニヤニヤが止まらなくなる。
 全く、なんて可愛いんだ。すりすりと?擦りして囁いた。
「アデリナの中は狭すぎるから、初夜の前に慣らさんと無理だと言っただろうが。あまり痛すぎる思いはさせたくない」
 実際に心配なほど体格差があるのは事実だが、少しばかり卑怯な脅しを口にすると、アデリナがうっと息を呑んだ。
 ヒスイ色の大きな目が、不安そうにヴァルツを見上げる。
「ま、まだ、無理そうですか……?」
 おずおずと尋ねながら、ここ数日に『慣らす』という名目でされていることを思い出したらしく、鎖骨の辺りまで淡く薔薇色に染まる。 
「どうだろうな。試してみるまではわからん」
 しれっと返し、ヴァルツはアデリナを寝台に寝かせると、小さな手に捲り上げたドレスの裾を握らせた。
「っ……」
 顔を赤くしながら、アデリナは律儀にぎゅっとスカートを?んで腰元まで露出させる。
 ドロワーズを?ぎ取り、秘所の割れ目に沿って何度か爪を滑らせると、アデリナの身体が跳ねる。
 小さな花弁もヒクヒクと震え出し、そっと割り開くと奥から透明な蜜をとろりと溢れ出させた。
(お、落ち着け! 慣らすだけで耐えろ!!)
 自分を叱咤し、このまま抱きたい欲求を抑え込みながら、濡れた狭い穴に指を一本ツプリと潜り込ませる。
「んぅっ!」
 アデリナが鼻にかかったような甘い声をあげた。最初はこれだけでも痛がっていたが、何度かするうちに目覚ましく開発され、十分に快感を拾えるようになったらしい。
 それでもまだ狭すぎる膣壁に、きゅうきゅうと指を締めつけられながら、ヴァルツは慎重に抜き差しを始めた。
 空いている指で時おり花芽もくすぐると、いっそう締めつけが強まって蜜が溢れ出す。
「はっ……ん、ん……」
 スカートの裾を?んで必死に声を殺そうとしながら、腰を僅かに揺らすアデリナの姿は、酷く扇情的だった。
 さらに欲情をそそられ、ヴァルツはもう片手で?き出しの乳房を?み、しゃぶりつく。
 尖った頂を舌で弾き、花芽を弄りながら熱い中を指で押し揉むうち、アデリナがくぐもった悲鳴をあげて身体を大きく震わせる。
 指を咥え込んだ膣道が激しく痙攣するのに、ヴァルツは欲望と戦いつつ口元を緩ませた。
 こうして愛撫するだけではヴァルツの欲求不満は募る一方で、せっせと墓穴を掘っている気がしないでもないが、アデリナが可愛くて仕方ないので止められない。

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