書籍詳細
後宮寵妃 〜覇帝と恋知らずの姫君〜
ISBNコード | 978-4-908757-44-0 |
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サイズ | 文庫 |
定価 | 671円(税込) |
発売日 | 2016/11/18 |
レーベル | ロイヤルキス |
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内容紹介
人物紹介
翠華(すいか)
18歳。本名は蓮華。
身分を隠して暮らしている。
李馴(りじゅん)
皇帝陛下。威風堂々とした立ち居振る舞い。
傲慢に見えて優しい性格。
立ち読み
「ひゃっ……」
花芽を軽く弾いた指先が、さらなる奥へと滑り落ちてくる。
そこは不浄の場所。そして、まさに男性とひとつになる場所。
自然と身が強張る。
「このように濡らして……」
呆れているような、それでいて喜んでいるようなつぶやきを耳に吹き込んできた李馴が、二枚の花唇を指先で掻き分けて中を探り始める。
「んっ……」
未知の場所に触れられる恥ずかしさに唇を噛んだ瞬間、くちゅくちゅと嫌らしい音が響いてきた。
その音に、己のそこがぐっしょりと濡れているのだと気づかされる。どうして濡れているのかわからない。知らないことばかりで、ますます不安が募る。
「なんと、溢れてくるようだ」
李馴の指先を花唇に割り入れ、翠華は思わず身を強ばらせた。
痛みを覚えたわけではない。己の中に感じる指の生々しさに狼狽えたのだ。
「ここで私を受け入れることは知っているのか?」
「は……はい……」
こくりとうなずき返すと、彼が浅い位置で指を抜き差しし始めた。
「では、破瓜の際に痛みを伴うことも?」
さらなる問いに、長い睫を瞬かせる。
破瓜とはいったいなんだろうか。初めて耳にする言葉だった。
「知らぬか。初めて男と身体を繋げるとき、女は誰でも痛みを感じるものなのだ」
「痛み……」
「痛みはほんのいっときだ、我慢できるな?」
「いやっ……」
どれほどの痛みかわからない恐ろしさから、思わず口を突いて出た拒絶の声に、李馴の顔色がサッと変わる。
「いやか……」
寝台に片肘をついて身体を起こした彼が、怯える翠華を見つめてきた。
怒らせてしまったのだろうか。
どうせ抗えない身の上なのだから、素直にうなずいておけばよかったと後悔する。
「知らぬ痛みに恐れをなすそなたの気持ちも理解できる。ならば、しばしの猶予を与えよう」
意外な言葉に翠華は目を瞠った。
なにを言っても聞き入れてくれなかったというのに、いったいどうしたというのか。
玉座を手に入れるために父親を亡き者にした宗賢皇帝は、傲慢で卑劣な人間なのだから、こちらの気持ちを慮るなど信じられない。
けれど、村を訊ねてきてくれた李馴は、心優しく慈愛に満ちていた。本来の姿はどちらなのだろうか。ふと見せた優しさに翠華の心が揺れる。
「とはいえ、これで終いではない」
意味ありげな笑みを浮かべかと思うと、李馴が背中越しに抱きしめてきた。
猶予を与えてくれるというのは嘘だったのだ。安心させておいて、無理やり身体を繋げるなんて酷すぎる。
「快楽を得る方法は他にあるからな」
耳元で楽しげに囁いてきた李馴が、しっかりと閉じている翠華の脚のあいだになにかを押し込んできた。
「あっ……」
ただならない熱を持つ硬いそれは、紛れもない李馴の猛り。
どうしようというのだろうかと考える間もなく、彼がググッと腰を押し進めてきた。
硬く張り詰めた先端が濡れた花唇をなぞり、甘く疼く花芽にあたる。
「ああぁ……」
蜜に濡れた先端部分で花芽を刺激され、下腹のあたりがずくりと疼く。
指で撫でられていたときとはまったく違う感覚。
熱を帯びた猛りで押し上げられた花芽から広がる痺れはなんとも心地よく、一瞬にして意識がそこへと向かった。
「はっ、ああっ……あぁ……」
逞しい腕で細い身体を抱えてきた彼が、緩やかに腰を使い始める。
灼熱の楔で花唇を擦られ、先端部分で花芽を突き上げられ、湧き出してきたとてつもない快感に打ち震えた。
「そなたに気のやり方を教えてやろう?」
渦巻く快感に溺れ始めた翠華は、意味もわからないままコクコクとうなずく。
「ここにすべての意識を集めるのだ」
熱い猛りで刺激されて疼く花芽を、李馴が指先で捕らえてくる。
「はぅ……」
たまらないほど疼いている花芽をきつく摘ままれ、駆け抜けた強烈な快感に粗相してしまいそうになった。
慌てて下腹に力を入れて堪えたものの、彼はかまわず摘まんだ花芽を引っ張り上げてくる。
「ひっ……や、ぁ」
指だけでなく硬く張り詰めた先端でも花芽を刺激され、疼きがどんどん激しくなっていく。
彼の前で粗相などできないというのに、どうにも堪えようがなくなってきた。
「ゃ……あ……李馴……さま……やめて……」
叫びにも似た声をあげても、彼は花芽を刺激し続けてくる。
窮地に追い込まれてもなお、翠華は唇が白くなるほどに噛みしめ、疼く花芽から意識を遠ざけようと足掻く。
「はっ……あぁ……んん」
一刻を争う状況にあると知ってか知らずか、李馴は花芽を執拗に攻め立ててきた。
「翠華、ともに達するぞ」
熱っぽい声が耳をかすめていくと同時に、脚に挟まれている彼自身が驚くほど力を漲らせてくる。
花唇と花芽に伝わってくる激しい脈動に、甘い痺れと疼きが増幅していき、かつて味わったことがない不思議な感覚がそこを支配し始めた。
それは、なにかを解き放ちたい衝動。躊躇いなくそうすることができたら、どれほど気持ちいいことか。けれど、それは李馴の前で醜態を晒すも同じだった。
「李……馴さま……もっ……許して……わたくしは……」
「案ずるな、そのまま身を委ねていれば快楽を得られる」
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