書籍詳細
公爵さまと銀の姫君 〜忘却の檻で愛に染めて〜
ISBNコード | 978-4-86457-200-2 |
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サイズ | 文庫本 |
ページ数 | 288ページ |
定価 | 641円(税込) |
発売日 | 2014/09/16 |
レーベル | ロイヤルキス |
発売 | ジュリアンパブリッシング |
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内容紹介
人物紹介
ファティマ・バラネフ
バラネフ伯爵家の息女。
幼少のころからラシェッドに淡い恋心を抱いていた。
ラシェッド・アニシン
アニシン公爵家の子息。
やさしく知的で、柔らかい笑顔の持ち主。
立ち読み
どう愛撫すればいいのか——彼が自分に施したものを思い起こす。
先端を濡らす蜜を舌先ですくい、ファティマはふくらんだ先端をていねいに舌でなぞった。
「……っぅ」
ラシェッドの吐息が聞こえ、ファティマの羞恥がたちまち瓦解する。
なぞる舌に力を入れ、蜜の軌道をたどった。重ねて聞こえるラシェッドの吐息に、ファティマは興奮を覚える。わずかなうめき声に、彼が快感を得ているのを確信していた。快感を与えているということが、こんなにも悦びを感じるものだと知らなかった。自分を愛撫するラシェッドも、こんな気持ちになっていたのだろうか。
彼の情欲がさらに硬度を増した。背伸びするように反っていく。
くちびるから離して目にしたそれは、ファティマの鼻先でびくりと身じろいだ。それはもっと快感を、とねだるふうだった。
ファティマの身体の中央で熱いものが疼きはじめた。
舌をのばし、ファティマは陰茎の先端と幹の堺をていねいになぞる。何度かついばみ、体内の疼きが去らないことに戸惑っていた。
もっと集中したら、このはしたない欲求はどこかに行ってくれるだろうか。ファティマは自分が欲情していると自覚し、それを追い払いたかった。
「ファティマ……続けて」
しかし熱っぽい声に催促されて抗えず、ファティマはくちびるを寄せた。
次第にラシェッドが身体の位置をずらしていく。身体を反転させ、横たわったファティマの顔の横から猛りを突き出す格好になった。
彼の太腿に頭を押しつける姿で、ファティマは丹念に舌で愛撫し続けていた。
「ファティマ、僕も……きみに」
声が聞こえるや否や、ラシェッドがファティマの部屋着の裾をたくし上げる。
「きゃ……っ」
ひじで太腿を固定され、ラシェッドの手が容赦なくファティマのひざを押し広げた。
「や、やめ……」
「僕を可愛がってくれてるんだ、おなじことをしても、おかしくないだろう?」
うろたえ、悲鳴にも聞こえるかぼそい声に、ラシェッドの笑いをふくんだ声が重なった。抗議しようとしたが、ファティマは息を吸いこんだだけでなにもいえない。
「ファティマ……よく濡れてる」
下着をずらされたのがわかった。閉じようにも閉じられない双脚の間、そのつけ根を、ラシェッドが検分している。指が内側を開き、隠されていた卑猥な肉が空気にさらされた。
「ら……ラシェッド……や、め……ぁっ」
ぬるり、と淫唇の間、蕾をなでるものがあった。
「っ……あ……!」
腰の深いところに、快感の根が張り巡らされる。ラシェッドの舌は永続的に動いていた。執拗に蕾をねぶり、指を膣口で遊ばせる。その都度快感が走った。
「ひ……っ、ぁう……っあ……!」
舌で蕾をこねまわし、くちびるが吸い上げる。ファティマは羞恥もなにもなく、ラシェッドの昂りに顔を寄せ、激しい快感に流されそうになるのをこらえた。
「はっ……ぁ……はぁっ……ぃ、あぁ……」
自分自身の吐息に混じって、ラシェッドの声が聞こえた気がした——続けて、と。
ファティマは催促され、逡巡した。
だが思い切って、ファティマはラシェッドの猛りを頬張った。
快感をこらえ、ファティマは首を使って激しく彼を愛撫する。大きくかたくなってしまったそれは、ファティマの口内でさらに硬度を増す。
愛撫を続けると、ラシェッドがうめくのが聞こえた。
彼のファティマに対する愛撫が止まり、肉杭が激しくのたうち——彼の蜜がファティマの舌を潤した。
独特の味に驚くが、ファティマはのどを鳴らしてそれを飲み下す。のどで引っかかるようでなかなか飲み下せないが、次から次と蜜は流しこまれ、懸命に飲みこむしかなかった。
「ぅ……ん、っは……」
素直には飲み下しにくい蜜をなんとか飲み下してみると、ラシェッドが見つめている。
「飲ん……だ、のかい?」
ラシェッドが動くと、シーツがこすれる音がする。
「だって」
彼の手がくちびるのはしをぬぐった。飲みこみ切れなかった蜜が流れていて、それに気がついたファティマは目を逸らす。
なんだか粗相を働いたようで、ファティマは気まずくなっていた。
身を起こすかファティマが迷うと、ラシェッドがのしかかってくる。
ひざを割る彼の中心、ついさっきくったりした姿になっていた彼の男性が、また力を得たように屹立していた。
「ラシェッド……?」
「……きみの、なかに」
「も、もう……やめ」
「きみはわかっていないかもしれないが、僕はうれしいんだよ。楽しくてたまらない。僕もきみを喜ばせたいんだ。僕に抱かれて、きみが我を失うところが見たい」
のどにからんだラシェッドの蜜のせいで、言葉がうまく出てこなくなっていた。口元を手で覆い咳払いをする。
すっかりファティマの陰部は濡れそぼっていた。燭台の灯りの届かない部分で、ラシェッドがファティマの淫花に先端を押し当てる。すでに身体が馴染んでしまっている感触に、ファティマは割れた声で抗議した。
「だめ……なの……っ」
先端は侵入していたが、ラシェッドは腰を止めた。
「ラシェッドが……そういうこと、する……と、私、な……なんにも……考え、られなく……ぁっ……」
止められていたラシェッドの腰が、徐々に動いていく。
「ふ……あ、ぁ……へん、に……なるの——いや……ぁあ!」
根元まで沈みこむよう、ラシェッドは一気に腰を落とした。
「う、ぁ……あ」
「へんに、なればいい」
彼の刀身がすべて体内におさまっている。深い場所に届いた感覚は衝撃になっていた。背中をたどっていった衝撃に、頭の中身が揺らされた気分だ。
「ファティマ、へんになっていいんだよ」
下敷きにしたファティマを抱きしめ、ラシェッドの腰が往復しはじめる。
「僕の下で、どれだけおかしくなってもいいんだ」
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