書籍詳細
溺愛注意報! ? 腹黒御曹司に懐柔なんかされませんっ
ISBNコード | 978-4-908757-77-8 |
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サイズ | 文庫 |
定価 | 703円(税込) |
発売日 | 2017/04/05 |
レーベル | チュールキス |
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内容紹介
人物紹介
永江明日香(ながえ あすか)
宮園にヘッドハンティングされ、転職した。
真面目な性格で恋よりも仕事を優先しがち。
宮園柾樹(みやぞの まさき)
会社の御曹司で常務。
スタイルが良く目鼻立ちが整っており、女性からかなり人気がある。
立ち読み
「ああっ!」
ビクリと体が揺れて何もない背後へ倒れそうになるが、宮園が腰をガッチリ抱き締めていたため無事だった。しかし遠慮なくナカをかき混ぜられて、おまけに胸の愛撫も止まらないから快楽の波が全身に打ち寄せてくる。
「あぁんっ! はあぁ!」
背後の浴槽に倒れるかもしれない恐怖から、明日香は宮園の頭部をかき抱いて彼の顔に乳房を押し付けつつ啼き続けた。あられもない嬌声が浴室内に反響して、男の手管に乱れていることを、己の声によって思い知らされるのが恥ずかしい。
対して彼は甲高い悲鳴に気をよくしたのか、それとも明日香が縋りついてくることに満足したのか、はたまた単純に蠱惑的な乳房の虜になったのか、指の動きをますます激しく、かつ卑猥なものへ変えていく。
指に犯される秘筒は久々の快楽を取り込もうと、武骨な指を締め付けては蜜液を吐き出し、奥へ奥へ引きずり込もうと蠢く。
そのたびに明日香は快感の渦へ溺れて身を捩った。が、バスタブの縁という不安定な場所では下手に動くと落ちてしまう。必死に身動きをしないよう自制して指を受け入れては延々と啼き叫ぶ。
「アッ、アッ、アァア!」
下腹を苛むうねりがどんどん大きくなっていく。体の奥が痺れて官能が腰を砕くかのようだ。捕食者となった恋人へよりいっそう縋り付く。
おかげで泡立つ淫水の音はどんどん激しく速くなっている。容赦なく追い詰めてくる指がもう一本増やされて、嬲られる媚肉が痙攣し始めた。
いっぱいいっぱいになった明日香の眦から涙が噴きこぼれる。宮園が雫を舐め取ったそのとき、技巧的に動く指がまだ触れていない陰核へと伸ばされた。パンパンに充血した突起を強く押し潰された途端、彼女の体がひときわ大きく跳ね上がった。
「いやぁ! やだあぁ!」
グラつく肢体を宮園が己の膝の上へと落す。それでも指責めから解放せずにナカを暴き続け、善がる可愛い女の耳元でうっとり囁く。
「言っただろ。やられっぱなしにしないって……」
「んあぁ! もぉっ、ゆるしてえぇ!」
「まだだよ、明日香」
夢中で指を蠢かす宮園が、恋人の顔中にキスを落とす。その刺激さえも今の彼女にはつらい。内側から膨張する快楽の塊が爆発しそうで、悦楽と恐怖で精神が混乱してしまう。
――もう死んじゃう……!
啼きながら己をいじめる男へ縋ってはしたなく喘いでいると、やがて官能の限界を突破して頂点へと押し上げられた。瞼の裏で光が弾ける。
「んああぁっ!」
彼の指使いに陥落した明日香は全身を痙攣させて、咥え込んだ指を締め付けながら崩れ落ちた。肩で息をしつつ完全に脱力した彼女を受け止めた宮園は、薔薇色に染まった頬へ愛しげに吸いつき、動けない体をひょいと担ぎ上げる。
洗面所の棚から大判のバスタオルを取り出し、器用に明日香の体をふきながらベッドへ向かう。大切な体を裸のまま横たえ、まだ残る水分をふき取ってから自分の体もぬぐい、チェストから小さな箱を取り出してベッドへ乗り上げる。
仰向けの明日香の脇下に膝をついて、見下ろす愛らしい恋人へ覚醒を促した。
「明日香、俺を見て」
「ん……」
何度か瞬きをして、朦朧とする意識を正気に戻そうとする。背中が柔らかくて気持ちいいクッションに包まれていると気がついたとき、いつの間にかバスルームからベッドへ移動していると悟った。
ぼやける視界が鮮明になると、膝立ちをして自分を見下ろす宮園と目が合い――
「ひゃあっ!」
互いの視線に間に、力強く勃ち上がる剛直がこれでもかと存在を主張していた。
「なななっなんで跨いで……っ!」
反射的に逃げようと上へずり上がると、「頭を打つぞ」と言われて咄嗟に視線を頭上へ向ける。確かに頭頂部のすぐ上にヘッドボードがあった。
しかも脇を彼の両膝でホールドされているため、下方向にも左右にも逃げられない。
彼のモノはいいかげん見慣れてきたとはいえ、このどこにも逃げられない状況で極太の一物を見せつけられる構図は、精神的にかなりクるものがあった。内心でヒィヒィと悲鳴を上げてパニクってしまう。羞恥と驚愕と混乱で目が回るどころか世界がグルグル回る。
――っていうかこのひと、いろいろな意味でアウトだ!
社交的で穏やかな仮面と、凶悪な本性の二面性の落差が激しすぎる。いやそれよりも単純に中身が変質的というか残念というか、アクが強すぎるのだ。
そこで唐突に北川の台詞を思い出した。以前、宮園が酔い潰れたときに呼び出されたワインバーで、『こいつに特定の女なんてここ数年は誰もいないぞ』と彼は話していた。
そのときは思い至らなかったが、これほど条件のいい優良物件に恋人がいないなんて、おかしな話である。もちろん自分を落とす役目があるから、付き合っていた女性と別れたのかもしれないけど、それでも〝ここ数年〟とは空白期間が長すぎる。
その理由がなんとなくわかったような気がした。
――これじゃあ、普通の女の子は逃げちゃうでしょ。
自分は前の営業職で様々な顧客に揉まれたせいか、「どんな人間でも一皮むいてしまえばドロドロしている」と達観したところがあるため、この見た目は素晴らしい腹黒ドS御曹司でも、「優しいところもいっぱいあるから大丈夫」と思うことができる。
が、白馬の王子様を求める夢見る乙女には難しいだろう。人によっては事故物件だ。……などと酷いことを考えつつ剛直から視線を逸らした。
宮園の口元がさらに吊り上がる。
「今、君がなにを考えているか俺にはわかる気がするよ」
彼は手に持った小箱の包装フィルムを破り、ことさらゆっくり避妊具を取り出して自身に装着する。「ものすごく俺を罵っていそうな顔だ」と言いながら。
「うっ、……いや、そうでも、ない、かな……」
しどろもどろの返事では嘘がバレバレである。
すると超イケメンが凶悪な薄笑いを浮かべて、見せつけるように舌なめずりをするではないか。その表情といい雰囲気といい、とてもじゃないが育ちのいい御曹司とは思えない。
明日香は笑って誤魔化そうとしたが、表情筋が引きつって笑みが浮かばなかった。
動揺する彼女へ、ずり下がった宮園が覆い被さってくる。いきなり胸の先端を甘噛みされて、背筋を駆け抜ける刺激に身をくねらせた。
よほど胸が気に入ったのか、宮園は執拗に乳房を揉みしだいては吸いついている。おかげでさらに無数の痕が散らばって、しばらく温泉の類には入れないと頭の片隅で思う。
でも少しだけ残っていた余裕も、大きく開かれた脚の付け根へ熱くて硬いモノを押し付けられたときにかき消えた。
あ、と思ったときには下腹を一息で刺し貫かれた。
「ふあああぁっ!」
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