書籍詳細
再会は恋の罠!? メガネ敬語男子の密やかな甘い包囲網
ISBNコード | 978-4-908757-98-3 |
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サイズ | 文庫 |
定価 | 713円(税込) |
発売日 | 2017/06/05 |
レーベル | チュールキス |
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内容紹介
人物紹介
不破凛々花(ふわ りりか)
スレンダーでモデル体型の化粧美人。26歳。
素顔が地味であることを気にして、恋人にすらすっぴんを見せられないでいる。
浅倉誠人(あさくら まこと)
凛々花の高校の同級生。
塩顔イケメンのメガネ敬語男子で、温厚で穏やかな性格。
立ち読み
「あっ……、やっ、やだ、嘘っ……」
全身に芯が通されたのではないかと思うほど、凛々花の体はベッドのうえでピンとのけぞる。腰が浮き上がり、咥えられた胸の先端を彼の唇に押しつける格好だ。だが、それを恥ずかしいとかはしたないとか考える余裕さえなかった。
「嘘じゃありません。夢でもありません。今、凛々花の胸をしゃぶっているのは俺です。わかりますか、凛々花?」
熱く濡れた舌先が、痛いほど鋭敏になった部分をなぞっていく。根元から先端まで、小さく屹立した佚楽の器官が、誠人に舐められていた。
もう、声を我慢することも難しい。
彼が唇をすぼめると、凛々花の腰の奥で疼きが広がる。
吸われているのとは別の部分に、快楽は波紋のように広がっていった。
白い肌がだんだんと薄赤く染まり、息が上がっていく。動いていないのに、走ったあとのように呼吸が苦しいだなんて、これが快感というものなのか。
「声を出すのが恥ずかしいなら、恥ずかしささえ忘れさせてあげますよ」
顔を上げた誠人が、左手でメガネをはずした。甘く歪んだ口元が直視できないのは、その唇に舌に、自分がどれほど感じさせられているかを知っているから。
「これからするのは、凛々花のきれいな体に俺を刻みつける行為です。何も知らないきれいなあなたを、俺が女にするんです。わかっていますよね?」
胸のうえまでブラジャーをずらされたせいで、大きいとは言えない乳房が強調されていた。左右の先端を、誠人がそれぞれ右手と左手できゅっとつまむ。
「んっ……!」
「初めてでも、感じてくれるんですね。嬉しいですよ」
親指と人差し指の指腹で、すり合わせるようにコリコリと弄ばれる。彼につままれた部分に、神経が集結していくような錯覚があった。それくらいに、感じている。
声を殺そうとしていると、呼吸もままならない。かといって、口を開けて息を吸ったらあられもない声が出てしまいそうで。
「んんー……っ……!」
右手の甲を唇にあてがい、凛々花は必死に抗っていた。彼の指先にあやされるたび、体の奥で膨らんでいく慾望に。
「そんな苦しそうにするくらいなら、諦めて声を出してください。俺しか聞いていません」
少しだけ困った顔をして、けれどなぜか嬉しそうに微笑んだ彼が言う。
「ま……誠人だから、イヤなの! 誠人に、ヘンな声なんて聞かれたくない……っ」
彼が誰より大切な友人だからこそ、やはりこんなことをすべきではなかったのだ。
——でも……
経験のない凛々花でも、今までの二十六年間で幾度か耳にしたことのある言葉。
『男は途中でやめられないから』
その意味が、女性である自分にも理解できるのが恐ろしい。
初めてなのに、恋人ではない相手なのに。
誠人の与える快楽の、その先を知りたいと本能が叫んでいる。
理性では、これ以上続けるべきではないとわかっているのに、やめてと言えない。もっと、彼を感じたい。もっと、彼と続きをしてみたい。
「俺だからイヤだなんて、凛々花は残酷ですね。でもいいですよ。どんなにイヤだと言っても、俺はやめる気なんてありませんから」
どこか語弊のある言い回しで、誠人がまた胸の先に顔を寄せた。
あの甘く疼く感覚が押し寄せるのを覚悟して、凛々花は喉と奥歯に力を込める。
けれど。
「……っっ、ひ、ああッ、ん!」
唇で食まれた胸の先端に、それまでとは違う刺激が走った。
わずかに彼の前歯が食い込み、そのせいでいっそう先端が敏感になる。誠人は、凛々花が感じているのを上目遣いに確認すると、歯を立てたままで舌先を躍らせた。
「ぁ、あ、ダメっ……、誠人、それ、やぁあ、んっ……」
こらえきれない声で、彼の名を呼ぶ。
けれど、必死に呼びかけるほど誠人は舌先の動きを速めた。
——ダメ……! こんなにされたら、わたし……!
ビクビクッと腰が跳ねる。
細い肩が震え、全身が悦びに喘いでいた。
「凛々花」
唇を離した彼は、いつもと変わらない優しい声で呼びかけてくる。
「つらいですか?」
問いながら、彼は知っている。
察しのいい誠人が気づかないはずがないのだ。凛々花が、気持ちよすぎて困っていることを。
「つ、つらぃ……」
——こんなの、よすぎてつらい。
涙目の彼女を見つめて、彼が小さく頷く。
「だったら、言ってください」
何を、と尋ねるより先に、彼が信じられないことを口にした。
「気持ちよくておかしくなっちゃう、と——」
そう言った誠人は、夢見るように目を細めている。凛々花に奉仕するばかりで、彼自身はなんら気持ちいいわけではないだろうに、その表情からは恍惚が伝わってくる。
——なんて顔、するのよ。そんな幸せそうな、気持ちよくてたまらないような表情、見たことない……
思わず、誠人に見惚れた凛々花だが、次の瞬間に理性を取り戻した。
「バカ、そんなこと言えるわけな……あっ!」
「だったら、言えるまで胸ばかり感じさせてみましょうか? さっきから、こっちもさわってほしいと腰が跳ねているのに、おあずけですね」
彼はまたしても、凛々花の胸先を口に含む。今度は、わざと音を立ててしゃぶりはじめた。
「や……っ、そ……、そんな、音立てないで……っ」
「無理ですよ。凛々花のここ、俺に舐められたくてこんなに硬くなっているんです。かわいがってあげるのは当然でしょう?」
ちゅ、ちゅぱっ、と淫らな音を立てて、彼は唇をすぼめる。乳暈すべてを口に入れたかと思えば、唇で扱くように根元から先端までの短い距離を往復した。
「ダメ、ダメぇ……っ! お願い、感じちゃうから、感じすぎてつらいからぁ……」
半ば泣き声に似た声音で、凛々花は必死に懇願する。それこそが、彼が求めた言葉だとも忘れて。
だが、不思議なことに必死で秘めていた快楽の声をあげたことで、自分が解き放たれたような感覚があった。
「感じすぎてつらいなら、ここでやめましょうか?」
顔を上げた誠人に、凛々花はすがるように両腕を伸ばす。
「やっ……、ダメ、やめちゃダメだから……!」
唾液に濡れた胸の先が、照明にテラテラと光って見えた。
パニックになるほどの、この快感。
すでに凛々花は、誠人の唇に、舌に、指先に囚われていた。
「よく言えました。じゃあ、もっと気持ちよくしてあげます。ご褒美ですよ」
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