書籍詳細
執愛コンフィチュール
ISBNコード | 978-4-86669-081-0 |
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サイズ | 文庫本 |
定価 | 754円(税込) |
発売日 | 2018/03/05 |
レーベル | チュールキス |
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内容紹介
人物紹介
花田貴緒(はなだ きお)
仕事一筋、28歳にして男性経験なしの枯れOL。元カレとの仕事上の付き合いにうんざりする日々だったが、突然の諫早の求愛によって人生が変わり始めて……
諫早薫(いさはや かおる)
学生時代に貴緒に一目ぼれし、以来7年ずっと片想い。クールな超エリートのはずが、貴緒のことになると『変態』と称するほどに自制が利かなくなる。
立ち読み
「……い、良いのかな……私……謹慎中なのに……」
先ほどまで感じていた不安が、全部、薫の体温で溶けて流れ出すようだ。
「いいんだよ、別に。貴緒さんは何も悪くないし……俺に愛されてるし、綺麗だし」
「ば、ばか……何言って……」
逆らう声に、力はまるで籠もらなかった。
薫に脱がされて、ベッドに連れ込まれて、キスされて……貴緒は一度も抵抗しなかった。
この腕に抱かれて、つかの間でも嫌なことを忘れてしまいたい。彼の温かい肌を全身で感じて、受けたショックを忘れて安らぎたい。そう思ってしまう。
「嫌だったことは全部、俺で上書きして」
薫の薄い色の目が、甘い光を浮かべて貴緒を見据える。
「上書き……するの……?」
よく分からずに問い返すと、薫は楽しげに喉を鳴らした。
「そうだよ、暁人さんにされたことなんか、全部忘れちゃえ」
「暁人に、されたこと……?」
問おうとした瞬間、むき出しの茂みに指が触れた。
「きゃっ!」
びくん、と身体が跳ね上がる。裸の肩にすがりつくと、薫は、貴緒の首筋に顔を埋めた。
「貴緒さんのここ、いつもきついんだけど」
そう言われると猛烈に恥ずかしい。何しろ最近まで処女だったからだ。だが、閉じようとした足は、薫の身体に阻まれた。
「あ、あんまり触らない……っ、あぁ……ッ……」
優しく執拗で、容赦のない指が、濡れ始めた秘所をゆっくりとまさぐる。
ぽってりと熱を帯びた粘膜は、指先が触れるだけで、切ないくらいに疼いた。
「ほら、ね? 暁人さんは忘れて、俺のことだけ考えて、貴緒さん」
甘い声で囁かれ、貴緒は目をつぶった。薄い和毛をつままれ、焦らすように引っ張られて、貴緒は再び情けない猫のような声を漏らしてしまう。
—手、手つき、エロすぎる……残念アラサーには耐えられない……んですが……!
貴緒は手を伸ばし、敏感な部分を弄ぶ薫の手を押しとどめようとした。
だが、貴緒の手首が、逆にがしっと掴まれてしまう。
「え……? だ、だめ、やめて、本当にダメだって……」
最後の理性で抗うと、貴緒の手はそのまま、ぬかるんだ秘裂に導かれてしまった。
「俺が嫌? もしかして自分でしたいの? ……じゃあ手伝ってあげる」
貴緒の小さな手が、散々焦らされて震える襞に触れた。
「や、やぁ……っ!」
ぬるついた生々しい感触が指先に伝わる。自分で、自分を慰めているようでたまらなく恥ずかしい。
「いや、これ、あ、あぁ……っ!」
頬を火照らせ激しく首を振ると、薫が低く喉を鳴らした。
「いやなの? 嘘だ、音聞こえる?」
「あ、あぁ……違……ぁ、いや……」
薫の言う通りだ。自らの指で陰唇を開かされ、蜜窟に触れさせられて、くちゅくちゅと濡れた音が聞こえてくる。
「貴緒さん、自分でして、自分で濡れてるくせに……エロくて、ずるい。早く俺も貴緒さんのここに搾り取られたい」
呟いた薫の声が、ふと、濁ったように聞こえた。
情欲にかすれた、雄(オス)の声だ。
その声が湛える色香に、自らの手で開かされている蜜口が、ひくんと反応した。
「もうとろとろじゃん。ねえ、自分の指、気持ち良かった?」
「あ、い、意地悪……っ」
息を弾ませながら、貴緒は答えた。これでは『はい』と言っているようなものだ。
「あれ? 足りなかった……もう少し?」
明らかに焦らされている。薫は貴緒の指を掴み直し、更に奥へと誘う。熱く生々しい蜜道の感触が指先に伝わってくる。
「やぁ……んっ……ダメ、これ、ダメ……っ」
「そうかな。腰浮いてるけどね、俺のより指の方がいいんじゃないの?」
「……っ、あ、ちが……っ」
恥ずかしいことを言わされる。そう直感し、貴緒はふるふると首を振った。
「このまま、自分の手でしちゃう?」
「や、やだ……自分でするの、いや……」
薫の言葉に、貴緒はうわごとのように口にする。
涙目で唇を噛む貴緒の反応にようやく満足してくれたのか、手首を掴む薫の手が緩む。
「じゃあ良いよ。俺が付き合う。……全部忘れちゃえ、貴緒さん」
熱欲に蕩け始めた頭に、薫の言葉はうまく届かない。
「ぜんぶ……?」
「そう、全部。暁人さんのことも会社のことも全部忘れて、俺だけで溢れちゃえ」
悪(いた)戯(ずら)っぽい言葉だが、どこか不安を誘う呟きだった。
「あ、ぜ、全部って……っ……あぁ……っ!」
問い直す間もなく、避妊具に包まれた剛直が、グズグズに緩んだ蜜口に押し込まれた。
目の前に星が散るほどの快楽に、貴緒は悲鳴のような声を漏らして、汚れた手で薫の背にしがみつく。
「全部俺で埋め尽くされちゃえ。俺、貴緒さんに何でもあげる。何でもプレゼントできる俺になってみせる。だから、俺以外のモノなんか要らないって言って」
「んっ、あ、何を……あ、んっ」
快楽に緩み切った身体が激しい水音を立てる。いつになく激しく突き上げられ、貴緒はぎゅっと目をつぶり、薫の身体にしがみついた。
—やだ、ダメ……もうイっちゃう……なんで……?
たちまち震え始めた内股に、懸命に力を込めようとする。
だが、ダメだ。薫の荒い息が、こすれ合う肌が、どうしようもなく貴緒の身体を疼かせる。
「や、ぁあ、だめ、だめ、なの……っ」
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